インパクトドライバーを使ってビスの頭の溝がなめてしまった人:
インパクトドライバーでビスを締めるとすぐ頭がなめちゃう。どうしてなめるのか原因が知りたい。
ついでにビスの頭がなめたときの外し方も教えてほしい。
といったことにお答えします。
本記事の内容
1、インパクトドライバーでビスを締めたときに頭がなめる原因とは
2、インパクトドライバーでビス頭がなめた場合の外し方
3、まとめ【ビスが潰れてなめるのはしょうがないけど、原因と解決策がわかれば大丈夫】
しげぽん。
物づくりが好き過ぎてサラリーマンを辞め、一転職人の世界へ。
大工歴は18年目(2021年8月。)に突入。
この記事を書いている僕は、この記事を書いている僕は大工歴18年目。
インパクトドライバーの使用歴も大工歴と同じです。
なので多少は信頼して頂けるかと思います。
インパクトドライバーでビスを締めたとき、ビスの頭がなめてしまうことありますよね。
自分ではしっかり抑えてるつもりだけど、「あっ!」と思ったときには、もうビスの頭が潰れて締めるに締められない。抜くに抜けないといった状態に陥って困ったことはありませんか。
これを防ぐには原因と対処法を知る必要があります。
なので今回は、インパクトドライバーでビスを締めたときに頭、、、正確には溝ですが、これが潰れてしまう原因と対処法について解説します。
ビスがなめてしまったときは、この原因と対処法がわかっていれば、ビスを抜くために悪戦苦闘して時間を浪費することがないですね。
逆に全く知らなかった場合、インパクトドライバーを使っているとこういった事例は頻繁に起こるので、その度にビスを抜くのに時間を取られて作品が完成しなかったり、せっかく購入した材料が無駄になってしまうこともあります。
なのでインパクトドライバーを使う上で覚えておいて損はありませんよ。
前置きはこのぐらいで、さっそく本題に入ります。
インパクトドライバーでビスを締めたときに頭がなめる原因とは
ビスの頭がなめてしまう原因は、結論から言うとカムアウトです。
いきなりカムアウトと言われても謎だと思うので、カムアウトが何かを解説します。
ビス頭がなめてしまう原因カムアウトとは
カムアウトとは、インパクトドライバーを使用中にドライバーの先端とビスの溝が離れてしまう現象です。
難しい話をすると理科の勉強みたいになってしまうのでできるだけ噛み砕くと、
ビスの溝は入り口に近くなるほど溝が浅くなっています。インパクトドライバーが回転するとビットの先端ではなく、十字部分の根元、つまり溝の浅い部分に力が働くんですね。
ちょうどイメージ的には、遊園地で回転する乗り物。特にブランコ系に乗ると、外へ飛び出そうとする力が働きますよね。さらに回転が速くなると上に浮き上がってきます。
これと同じようなことが、インパクトドライバーのビット部分で起こるんですね。
ビットは先端に行くほど細くなるので、ビットが浮き上がるとビスの間に隙間ができてしまいます。その作用によって、ビットとビスの溝に引っ掛かりが悪くなり、結果ビス頭を潰すことになります。
なのでビスの頭を潰さないためには、インパクトドライバーの先端ビットが浮き上がらないようにする必要があります。
カムアウトを防ぐには?
カムアウトを防ぐには注意する点が2つあります。
・先端ビットの摩耗
この2点を注意しないとビスがなめる可能性が高いです。
使い方では、インパクトドライバーをしっかりと押さえるといったことに注意します。
またビットが摩耗すると先端の十字部分が削れてきて、ビスの溝とフィットしなくなってきます。
これにより隙間ができてしまうと引っ掛かりがわるくなるので、カムアウトが起きやすくなります。
たとえばですけど、
歯車も2つの車がピタリとあうからスムーズに回りますよね。歯車が隙間だらけだったら回りが悪くなるし、下手すると歯車が壊れてしまいます。
でももしかしたらここまで読んで、
「インパクトドライバーをしっかり押さえていてもダメなんですけど。」
と思うかもです。
確かにインパクトドライバーの使い方は、簡単でありながら実は奥が深いですよね。
ちなみに片手でインパクトドライバーを使うとカムアウトしやすいです。なので両手で押さえれば、比較的ビスがなめずに済みますよ。
インパクトドライバーの使い方を深堀りした記事です。よければ参考にして下さい。↓↓
インパクトドライバーの使い方とビットの摩耗。この2つに注意することで、カムアウトをかなり抑えることができますよ。
インパクトドライバーでビス頭がなめた場合の外し方
頭のなめたビスをどうにかして外したいというのは、誰もが思うものですよね。でも外すのはやってみるとかなり大変です。
なので簡単に外せる方法を3つ紹介します。それが下記の方法になります。
・電動ドライバーを使って外す方法
・ツールを使って外す方法
それぞれ具体的に解説していきます。
ビス頭がなめたときの簡単な外し方
手動ドライバーを使って外す方法
手持ちのドライバーで外します。
手持ちのドライバーでなめたビスを外しやすい理由は、インパクトドライバーと違って回転が遅いので、しっかり抑えることができるからです。
その方法ですが、たとえば右利きの方の例で話します。
右利きの方の場合は左手でドライバーを持って、ドライバーのお尻をトンカチでガンガン叩いては回してみる、といった作業を繰り返します。
この作業で少しずつ抜けて来ると思います。
それでも、「溝が潰れすぎていてムリ」「固くてぜんぜん回らない」といったこともあるかもしれないんですけど、その場合の方法は次で解説します。
まずは手持ちのドライバーで回してみましょう。
電動ドライバーを使って外す方法(条件アリ)
電動のドライバーで外す方法です。電動ドライバーはドリルドライバーを使います。
電動ドライバーを使えば、かなり楽に外すことが可能です。ただし、この方法は、
・ドリルドライバーの先端が入る隙間がある
といった条件付きの方法になります。具体的な方法は3ステップで行います。
✅ ステップ1
飛び出したビスの頭にドリルドライバーのビット取り付け部を差し込む
✅ ステップ2
ビスの頭を締め付ける
✅ ステップ3
逆回転でビスを回していき外す
手順はこの3ステップですが、
「そもそもドリルドライバーが入らないよ」
といった方もいるかもです。そういった方のための最終手段を次で解説していきます。
条件が合っていれば、これが1番簡単で楽に外すことができる方法です。
頭がなめたビスを外すことに特化した便利ツール
どうやってもうまくいかない場合、あとはツールですね。
ツールはこの4種類があればオッケーです。
・ネジザウルスバズーカ
・なめたビス抜き
・折れたビス抜き
今回紹介するツールはビスの溝がなめてしまったときに特化したツールです。つまりビス抜き専用です。
4種類のツールすべて揃っていれば最強ですけど、5,000円ほどのコストがかかるので、ビスの状態に合わせてチョイスするのもアリですね。
以下は紹介ツールの説明に広告リンクも含まれます。リンクは詳細を知りたい方のみクリックしてください。
✅ ネジザウルス(東洋エンジニアリング)
通常のペンチは物を挟む部分にヨコ溝しかついていません。従ってネジを掴んでも滑ってしまって廻せないんですけど、ネジザウルスは、先端の内側がタテ溝のギザ加工になっていて、ネジの頭を縦方向にガッチリと掴むことが可能になっています。
>>エンジニア ネジザウルスRX PZ59-8696 【4815033】
✅ ネジザウルスバズーカ(東洋エンジニアリング)
こちらはビスの頭が完全に材料に埋まっている場合にも使用可能です。軽症用と重症用の2つの種類があります。
無理やりビスを廻して完全に溝が無くなってしまっても、重症用を使って外すことができます。
ビットは劣化しても交換式なので、ビットのみを交換すれば本体は何度でも使えるというのも嬉しいところです。
>>エンジニア ネジバズーカ ネジ外し専用工具 DBZ-55B 黒
✅ なめたビス抜き(STARーM)
ビス自体に穴を空けて外す電動ドライバー専用ビットです。
ビスの溝に穴を空けるので、抜いたビスを再び使用することが可能。しかし個人的には溝の潰れたビスは再利用しない方がいいでしょう。
電動ドライバーを使用するため、労力が少なくビスを簡単に外せるツールです。
>>スターエム 5050-S015 なめたビス抜き 1.5mmセット
✅ 折れたビス抜き(STARーM)
前項で紹介した、ドリルドライバーで抜く方法を商品化したものがこれ。
ビスを抜く原理は一緒ですが、ドリルドライバーより頭のチャックがコンパクトになっています。
なので、多少狭いところでも使えますね。
>>スターエム 5040 折れたビス抜き 6.35mm六角軸
以上4種類を紹介しましたが、
・電動ドライバーを所有している方はビス抜きシリーズで対応
といった感じで選ぶといいかもです。
まとめ【ビスが潰れてなめるのはしょうがないけど、原因と解決策がわかれば大丈夫】
今回は以上となります。
話をまとめると、
・インパクトドライバーを使ってビスがなめてしまうのは、カムアウトが原因
・なめたビスを外す方法は、手動ドライバーを使う方法と電動ドライバーを使う方法の2つ
・最終手段はツールを使って外す
ビスが潰れてなめるのは、プロでもあるので仕方がないことです。スキルだけの話ではないですね。
でも原因と解決策がわかっていれば全然対応できますよね。
ビスを外すのに悪戦苦闘する時間はすごくもったいないので、
ビスがなめてしまったときは、ぜひこの記事で紹介したことを思い出して実践してみてください。